lone wolf



皆さん、こんばんは。



ファーストアルバム『NAKED LOVE』インタビューブログ。

作詞作曲編集を全て手掛けた富田氏に、直接お話しを伺い、制作への思いを深掘りさせていただいた内容を掲載しています。



本日は7曲目『lone wolf』について。

直訳すると、1匹狼ですね。





【孤高であり続けた人生】





ー 『lone wolf』は、アルバムの中でも少し違う印象を受けました! ー

「『lone wolf』は俺が1番やりたかった曲。キャッチーや、メロディアスは土返し、TPOも関係ない。好きにやらせてもらうぜ!って濃い目の曲だよ!(笑)

聴いてくれるリスナーのイメージに合わせて、自分の歌詞や音を作っていったら、それはアーティストの墓場だよな。だから、『lone wolf』は聴いてくれる人に一切寄り添わなく、1番自分を出した。まさに生き様的な曲だよ。」


ー アルバムの中でも俄然、オルタナティブであり続けている存在感ある曲ですね! ー

「そうだね!より自分らしくありたい想いは、過去の自分とも向き合うことだと考えたんだ。

当時の俺は、六畳一間の安いモーテルに住んでいて、風呂もないところだった。当時は小さな町工場で働いていて、話し相手も友達もいない。毎日30分くらい徒歩で通勤して、朝も昼も食べずに仕事終えて、帰るだけの生活だったよ。

金も無くて、工場の床にダンボール引いてメシ食って寝る。そんな毎日!



ー そんな時代があったのですね。 ー

「あの頃の自分がいたから、今の自分がいる。そう思える。俺は結構、逆境に強い。だから感謝してる過去の時間だよ。精神面は色んな経験から、かなり鍛えられたかな。」


ー 貴重なお話をありがとうございます。 ー

「人それぞれ環境は違うし、幸せの形も違う。しなきゃ良かった経験なんて、ひとつもないもんだよ。」


ー 素晴らしいお考えだと思います。 ー

「『lone wolf』は〝富田裕之〟と言う人間の紹介曲のような感じ(照)
こういう風に生きてきました!ってね。名刺代わりみたいなものだな。」



ー そんな曲を持っているなんて素敵だと思います。 ー

「そうだね。『lone wolf』は俺を知ってもらう1番の曲だね。音楽的にも個人的に拘ったよ。好きなブルースであり、ロックでありたかったように…Gibson L4 ces が奏でるジャズギター要素も入れつつ、ホローボディのメローテイストに、ロックンロールテイストを加えた、ナチュラルでアタッキーな音が心地よく聴こえるような作りにしたかったんだ。」


ー そうですね!『lone wolf』は、ブルースの要素と、少しクラブ感もあるような気がします! ー

「そう。クラブ音も意識して入れた。俺自身はブルースが好きで、どこかその延長線上に『lone wolf』があればいいと思ってる。心の定年を迎えたら、寂れたBARのカウンターで、一人バーボン飲んで酔い知れてる時に、口ずさむ曲でありたかったんだ。それだけ『lone wolf』は俺の人生そのもの。」


ー 『lone wolf』はプロフィールであり、レクイエムですね! ー

「そうだね。プロフィールとレクイエムは1番表現的にあってるかもな。人生は一筋縄ではいかないから、生きる複雑さを表現するために、色んな音が鳴っているけど、決して鮮やで華やかにしたい訳ではなくて、モノトーンのサウンドに仕上げたかった。アーバンなプロダクション(音作り)のクオリティを高めたカッコいいビートにしたかったんだ。
今風に考えると、クラブサウンドってオシャレなイメージだけど、俺の場合オシャレさよりザラついた地声、囁き、呟きを意識して歌入れしたよ。」



ー 細かいテクニックと意識が詰まった楽曲ですね! ー

「『lone wolf』は、素の自分で歌うべきだと思って唯一、ノープランでレコーディングに望んだ。歌詞の時点で、脱力感とピリピリ感をリリックに落とし込み、語りかけるように心が心につぶやくようなね。そんな歌を意識してレコーディングを行いたかったから。だから『lone wolf』は、俺の感情を声を通して手触りで感じてくれたら、嬉しいかな。」



to be continued…



いつも包み隠さず、ゆっくり話をしてくださる富田さん。音楽に対して、真っ直ぐな嘘のない性格が滲み出ているように思いました。



さて次回は『Romanticにくちづけを』
お楽しみに!!